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2017年6月22日 (木)

【2018年春入試】学区制廃止、それも来春から!?

今朝の岐阜新聞、公立高校入試について驚きの記事が掲載されていました。
来年春からの入試制度や学科改組について、今頃になって決定し、来月発表するという、ちょっと前例のないことを県教委がやろうとしているようです。
 
まずは岐阜新聞の記事を見てみましょう。
 
県公立高入試、学区制廃止 来春から「全県一区」
2017年06月22日09:03
 
 岐阜県教育委員会が、現在の中学3年生が受験する2018年度公立高校入試から、全日制普通科(単位制を除く)の「学区制」を廃止し、「全県一区」とする方針を固めたことが21日、分かった。受験生は住む場所にかかわらず、県内全域の高校へ出願が可能になる。27日の教育委員会で協議し、7月初旬に決定する。
 
 18年度入試まで9カ月を切った段階での変更で中学校や保護者の混乱も予想されるが、県教委教育総務課は「中学校長対象の説明会を6月中に学区ごとに実施し、理解を求めたい」としている。(上記記事より引用)
 
 
 標題の通り、公立高校入試で学区制を完全に廃止する方針のようです。つまり、岐阜県内のどの普通科高校も自由に受けられるようになるということです(なお、専門学科等(商業・工業・農業・情報・福祉・総合・美術・音楽・理数・英語)と単位制普通科は、今までもずっと自由でした。今回の変更が「単位制を除く普通科」の話というのはそういうことです)。
 普通科の学区制については、今春までも「隣接学区の受験が可能」というしくみでした。西濃学区でいえば、岐阜学区の高校は受験できましたし、逆に岐阜学区から西濃学区や美濃学区の高校を受験することも可能でした。今回、学区制が完全になくなったとしても、大垣市から岐阜地区よりさらに遠く、つまり関高校(美濃)、可児高校や加茂高校(可茂)、多治見北高校(東濃)、斐太高校(飛騨)などを受験する生徒が増えるかといったら、、そういうことは考えにくいので(逆もまた同じでしょう)、実際問題、この地区での影響は少ないというか、去年までと景色はそんなに変わらない、いや、多分ほとんど変わらないのだろうと思いますが、記事にもあるように
 
…導入されれば、進学校が集中する岐阜学区に飛騨、東濃学区から受験することができる。
 この場合、岐阜の高校へ通うには距離があることから、同課は「受験生への影響は限定的」とみるが、受験生の流動性が強まると、志願者が岐阜学区に集中するとの見方もある。(上記記事より引用)
 
というわけで、岐阜高校など岐阜学区の進学校への倍率だけ、ますます高まる可能性があるわけです。正直なところ、今でも(高校入試としては)かなり高止まりしている岐阜市の高校(いわゆる旧五群)の倍率をさらに上げる方向に変えて(逆に言えば他地区の高校での定員割れが増える可能性もあるわけですから)、何がしたいのかなあという気もしますが、同記事にもありますように
 
 学区制は全国では24都府県が廃止しており、同課は「(学区を越えた受験を)希望する生徒がおり、環境を整えたい」と理由を説明した。(上記記事より引用)
 
学区制廃止の方向は他県でも見られていた現象ですので、いずれ来るだろうなと身構えてもいました(岐阜県の公立高校活性化のためには受け入れないほうがいい波だとも思っていましたが)。
 記事によれば、学区制は1974年度の開始。特色化選抜によって他学区の受験が可能になったり、その後、今の制度でも隣接学区の受験が可能になって、学区制は徐々に形骸化してきてはいましたが、何だかんだで40年以上も続いた制度です。1974年度に中学3年生だった皆さんは還暦に近い年齢になっているわけで(そう考えると本当に長いなあ)、それが正式に終わるわけですから「歴史的な大転換」のはずですが、そんな話がこういうドタバタで決まり、急に実行に移されるというのは、違和感があります。
 この二十数年、高校入試制度の移り変わりを眺めてきた人間としても、今回のこの唐突な動きには違和感を禁じ得ません。これまで、入試制度に関わる変更は最低でも前年春(約1年前)までに発表がありました。もちろん、その中には変更の概要だけ(つまりおぼろげな形だけ)春に出して、詳細は7月に先送りという、ちょっと困ったやり方をとった年もありましたが、いずれにしろ、入試前年の春までには、変わりますよというアナウンスがあったわけです。今回、春に公式な発表が何かありましたでしょうか。私の見落としでしょうか。
 確かに、昨年春の「岐阜県立高等学校活性化計画策定委員会『審議まとめ』」に続いて、この春には「岐阜県立高等学校の活性化に関する検討まとめ」も出され、公立高校について改革の方向は示されてきました。だから唐突ではないのかもしれません。しかし、この春に出された「検討まとめ」には、学区制について検討対象という記述はあっても、直ちに変更する予定であるとは書いてありませんでした。
 
(3)通学区域
今後の急激な生徒減少期を見据えた学校規模についての検討や、今後の活性化策の進捗状況に合わせ、生徒がより多様な選択肢の中から、進路希望に応じて、より主体的に高校の選択ができるよう、通学区域の在り方についても、検討する必要がある。
「岐阜県立高等学校の活性化に関する検討まとめ」から
 
 しかも、県教委からは例年通りの(何も変わらないよと言わんばかりの)入試概要が4月に既に発表済みです。その中にはご丁寧なことに通学区域についても今まで通りであることが明記されているのです。
 
※ 通学区域 について
普通科(単位制を除く) ⇒ 居住する学区及び隣接する学区
普通科(単位制)、その他の学科、定時制⇒県内全域
平成29年4月27日(木) 岐阜県発表資料
「平成30年度岐阜県立高等学校入学者選抜について」から
 
※下にあるのは県教委が平成29年4月27日(木)に発表した文書の一部。赤囲みと赤線は、こちらでつけました。

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 4月の段階で公式に何もアナウンスがないどころか、変わっていないことをわざわざ書いて発表しているわけですから、学区制をいじったり、学科を再編するなどの「改革」は、早くても再来年春の入試、つまり中学2年生の受験年に先送りされたと判断し、4月の記事では「来春入試に大きな変更無し」と、このサイトにも書いたわけです。
 ところがどっこい、そうはいきませんでした。これはある意味「ちゃぶ台返し」に近い行為です。私たちは一体何を信じて行動すればいいのでしょうか。そして4月からこれまでの間に、県教委でいったい何があったのでしょうか。もしこの記事の通りなら、県教委の決定および発表の後出しは、問題にならないのでしょうか。このサイトでは、日頃、県教委のことを強く批判したことは(あまり)ないのですが、今回ばかりは、はっきり「ひどい」と言わせていただきます。変わる中身の問題ではありません。今回、こうした根本的な変更がこんな形で行われたことが前例となり、今後、事前に発表されたことが覆されたり、重大な変更が前年夏に突然発表されたりすることが「当たり前」になるのではないかという点を、もっとも危惧するのです。そもそも、発表時期について言えば、前年春でも遅いくらいだったのに(それによって振り回された世代も過去にはありました)、それがさらに遅くなる危険を感じるのです。
 そうでなくても岐阜県の入試に関するさまざまな発表は、遅い傾向にあります。たとえば、7月末までに出される「各高校の入試概要」。例年、高校見学に行った生徒から「県教委の公式発表がまだなので、入試については話せません。新聞か県教委のホームページを見てください」という何とも言えない高校側の対応が報告されています。6月までに各高校の実施方針を決めれば、中3生の高校見学の申し込みに間に合いますし、7月中旬までに決めれば、高校見学そのものには何とか間に合うわけです。そうした受験生側のスケジュールは一切無視して、7月末という発表期限を頑として譲る様子もありません。まあ、私からすれば6月でも遅いわけで、それこそ各高校の入試概要なんて4月か5月までに決めることだと思いますけどね。
 
 ちょっと熱くなってしまいましたが(苦笑)、脱線気味な愚痴はこれくらいにしておいて、今日の岐阜新聞朝刊にはもう一つ、公立高校に関する記事が載っていました。
 
岐阜高、単位制に 来春新入生から移行
2017年06月22日08:43
 
 岐阜高校(岐阜市大縄場)が来春の新入生から、3年間で必要単位を取得する「単位制普通科」に移行することが21日、分かった。7月初旬に正式決定する。(上記記事より引用)
 
  岐阜高校が、来年春からいきなり単位制普通科に移行するようです。こういう学科改組(といってもいいでしょう。普通科の枠は変わらないとはいえ)は、やはり先例に従えば(発表が常に遅い岐阜県教委であっても)前年春までに発表があるはずのもの、何とこの時期に決めて来月に発表するとのことです。普通科が単位制普通科になって受験生が具体的に何か困ることがあるのかと言われたら、多分ないのですが、先ほどの学区制廃止の話と同様、今後、こういう学科改組の決定なり発表なりが前年夏に出てきても当たり前という顔をされるのが一番困るわけです。今回の記事はそういう意味でかなりの衝撃があります。
 ところで、この記事、ちょっと面白い(?)記述があります。
 
 単位制普通科の高校になると、県内全域から受験することができるようになる。県教育委員会によると、県内の全日制普通科では各務原西高など5校で実施している。(上記記事より引用)
 
 何が面白いか、分かりますか?
 そうです。一面記事(さっきの記事です。新聞では一面に掲載されていました)では「学区制の完全廃止」が報じられているのに、この県内版の記事では「単位制普通科の高校になると、県内全域から受験することができるようになる」と書いてあるのです。確かに今までも各務原西高や不破高などの単位制普通科高校は、他の学区から受験することができましたが、来年から学区制が全面的に廃止されるなら、全く意味の無い説明ですよね。なにやら混乱があるようにも思います。
 それは記事を書いた新聞記者さんの側の混乱なのか、それとも県教委側の混乱なのか、あるいは情報源の混乱なのか、私には分かりません。しかし、さっきの記事とこの記事をあわせて読んだ上で、これまでの岐阜県公立高校入試改革の流れを思い返せば、どうしても一つの「邪推」が浮かんできますよね。やはり、そういうことかと思わざるを得ません。そういうことなんですよ。ええ、なるほどというか、何というか…。
 ちなみに、岐阜高校に単位制を導入するということ自体は、別に唐突な話ではありません。以前のこの記事でも触れたように、昨年春の「岐阜県立高等学校活性化計画策定委員会『審議まとめ』」にも、岐阜高校に単位制普通科を導入してはどうかという記述があります。同じ箇所に大垣北に国際バカロレアコースを入れてはどうかとか、大垣東ほかにある理数科を探究科に改組したらどうかなんて話もあるわけですが、それらは先送りなのか消滅なのか(バカロレアについては先送りっぽくも読める文が「検討まとめ」にありますね)、果たしてどうなったんでしょうね。
 
 いずれにしろ、なぜこの時期に、なぜ急いで入れる必要があったのか。特に学区制については既に発表された内容を覆しているわけで、なぜそこまでして来春からやろうとしているのか(あくまでも報道の通りだとすれば、ですが)。まあ、この程度のことでまさか「何らかの忖度が働いたー」とか、「行政がゆがめられたー」なんてことは無いと思いますが(苦笑)、本当に唐突な話で困ってしまいます。繰り返しますが、これが先例となって今後、入試制度の変更や高校・学科の改編・改組等の発表が遅らされたり、先に発表された内容が覆されたりすることがないよう、切に願うものです。

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