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2017年7月12日 (水)

【2018年春入試】県教委、岐阜県公立高校入試の変更点を正式に発表

 高校入試では異例の、かつてなく遅い変更決定(※1)及び事前発表のちゃぶ台返し(※2)が、昨日(2017年7月11日)の県教委臨時会議で正式に決まったようです。
(※1)以前から何度も書いているように、今まで入試制度の変更や学科改編等は、前年の春までに発表していました。
(※2)4月に発表した県教委の資料には学区制を維持した(今まで通りの制度で行う旨の)記述がありました。
 
県教委が昨日付で作成し、今日公表した資料「平成30年度 入学者選抜制度に関する変更及び学科改編等について」で明らかにした、今の中3生が受ける来春(2018年春・平成30年度)の岐阜県公立高校入試の変更点は、以下の3点です。
青斜字は今回発表資料からの引用。
 
1.学区制を廃止する。=全県を一学区とする。
この結果、「全ての県立高等学校について、県内全域からの出願が可能」となりました。この地区は「西濃学区」(大垣市・海津市・揖斐郡・不破郡・養老郡・安八郡)でしたが、これからは普通科でもそういう通学区域の指定が完全に無くなります。自由です。
 これについては、今回の動きが表面化して以来、ここでも何度か書いてきましたので今日は書きません。本当に来春(2018年春)入試からやっちゃうんですねという感想しかありません。
 
2.一部の県立高校に県外からの募集枠を設ける。
「活性化において課題がある高校のうち、特色のある教育内容や、全国で活躍する部活動を実施している県立高等学校が対象」 になっています。つまり、定員割れが続いている高校に、県内だけでなく県外からも志願者を呼び込むための策です。
<対象高校名(分野)>
加納(音楽)
不破(スポーツチャンバラ)
海津明誠(ヨット)
関有知(ライフル射撃)
八百津(ボート、カヌー)
東濃(ロボコン)
多治見工業(セラミック)
恵那農業(園芸)
坂下(福祉)
高山工業(建築インテリア)
飛騨神岡(ロボット)
 
 これは先月29日に教育長が議会答弁で明らかにした内容ですね。この春、再編統合に向けて動かなかった(動けなかった?)ため、生徒募集に融通を利かせることで活性化するか(=安定して定員を満たせるか)どうか、少し様子を見ましょうということでしょう。いきなり再編統合に向かう前に、段階を踏むということだろうと思います。これで将来にわたって再編統合を不要とするのは難しいように思いますが。
 ただ、この取り組み自体はいいことだと思います。これで県内の受験生が弾かれてしまうというわけでなく(今までも定員割れしていた)、むしろ仲間が増えて活気ある学習環境が生まれる可能性があるということですからね。といっても、実際に県外からどれくらい集まるのか、それぞれの専門分野について私は全くの素人なので分かりませんが、たくさん集まるものなのでしょうか。集まるといいのですが。
 
3.4つの県立高校の学科を改編する。
(1)岐阜高校を単位制普通科に
これは既に公表された内容でしたし、昨年春の「岐阜県立高等学校活性化計画策定委員会『審議まとめ』」(以下、「審議まとめ」と表記)から提案されてきた内容で、そのときに一言書いていますので、今回は言及しません。
(2)各務原高校の理数科と英語科を廃止
これは報道には出ていなかった内容のような…。確かに昨年春の「審議まとめ」には出てきていた内容ですけどね。
(3)多治見高校を単位制普通科に改編し、自然科学コースを廃止
単位制普通科の導入については、県議会で教育長が答弁して明らかにしていましたね。自然科学コースの廃止は、昨年春の「審議まとめ」で提案されていましたが、それ以降、どこかに言及があったかなあ。
(4)岐阜工業高校の8学科のうち、6学科の名称を変更。さらに1学科ごとの募集をやめて4学科群ごとに募集(受験生は「学科」を志望するのでなく、「学科群」を選んで出願する)。
①岐阜工業高校の新しい学科名。
・航空機械工学科(機械科から変更)
・電気工学科(電気科から変更)
・電子工学科(電子科から変更)
・電子機械工学科(電子機械科から変更)
・デザイン工学科 (変更なし)
・設備システム工学科(設備システム科から変更)
・建設工学科(変更なし)
・化学技術工学科(化学技術科から変更)
②入試の募集単位となる4学科群
・航空・機械工学科群
・電気・電子工学科群
・建設・デザイン工学科群
・化学・設備工学科群
 
確かに、岐阜工業高校の学科再編の話は今年の初めくらいから報道されていましたが、春になっても正式に発表されないものですから、どうなっているんだろうと思ったら、何とここで入れてきました(苦笑)。4月の概要発表とは何だったのかという思いがますます募ります。
 
 
 
 このように、先日来の報道内容を上回る変更点が発表されました。
 今日の段階で、高校見学の申し込み締切はとっくに過ぎていると思います。各務原高校に理数科や英語科がある、多治見高校に自然科学コースがあると思って高校見学を申し込んだ中3生は、どうするんでしょう。
 また、ほとんどの中学校の三者懇談も終わっているでしょう。「各務原高校の理数科(あるいは英語科)を目指しています」という話をしていた受験生や保護者がいたとしたら、見事に梯子を外されています(まあ、1学期の三者懇談ではまだ具体的に詰めた話はしていないでしょうという突っ込みはあるとは思いますが)。
 全県1学区制導入よりも、こちらのほうが酷くないでしょうか。もちろん、こんな時期にこれだけの変更を決め、発表したことに対して申し上げているのです。…とまあ、こういう声が出てくることに対応したものなのでしょう、各務原高校のホームページに、今回の決定についての「お知らせ」が掲載されています。こういう文書が発表されることも異例であるとは思いますが、各務原高校のこの対応は評価したいと思います。本来は県教委が説明することではないかなという気もしますが。
 なお、岐阜工業高校については、学科群と学科の関係について、今回発表の資料には詳しい説明がありません。また、学科群ごとの募集に変わって、第2志望の取り扱いがどうなるのかという点についても、何も書かれていません。
 
 
 
 ところで、私はこの仕事を四半世紀ほどやってきましたが、今年の県教委の動きほど憤りを覚えるものはありませんでした。こうした決定が今頃になってなされるということが「前例」とならないよう、つまり今後はこのような遅い時期に決定することはない、これからは遅くとも1年前までには変更を決定して明らかにするということを、県教委は約束すべきだと考えます(これは無理難題でも私の個人的な希望でも何でもなく、県教委自身が今まで守ってきた慣例です)。また、本サイトでもたびたび言及してきましたが、4月に出された「概要」とは、いったい何だったのでしょうか。本サイトでは常々、「高校入試について疑問や不明な点があれば、まずは県教委のサイトをあたりましょう。話はそれからです」と書いてきました。その県教委のサイトが実際と異なる発表をしたことを、私は今後も忘れることはないでしょう。一連のこうした不誠実な態度は大いに問題があったと私は思います。
 
 ともかく、来春入試の骨格はようやく固まったようです。県教委が「活性化計画」を下敷きに動いていることを考えると、この先、つまり再来年春以降の入試に向けても、まだまだ動きはあるのでしょう。今年のこの混乱で、受験生その他関係する人々への最低限の配慮とか、守られなければならない期限といったものが破壊されました。こうなれば、来年度以降もいつ何が起こるか分かりません。今後も継続して観察していきます。

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