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2018年4月20日 (金)

【2019年春入試】岐阜県公立高校の学科改編について

昨日の新聞に出ていた来春からの公立高校の学科改編について、県教委が発表した「岐阜県立高等学校の活性化に関する検討まとめ」(平成29年度版)に、その目的と方向性が詳細に記述されています。以下にそれを引用します(☆や赤字、下線などは当方がつけました)。なお、青字は当方のコメントです。
 
 
【岐阜北】
☆単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)より高い進学目標に対応した授業展開や探究的な学びを可能とするため。
(方向性)高い進学目標に対応した多様な授業を展開する。また、高大連携や国際交流事業も活用しつつ、大学入学者選抜改革に対応する少人数によるゼミ形式の授業の開講を検討。
 
【関】
☆単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)より高い進学目標に対応した授業展開や探究的な学びを可能とするため。
(方向性)2年次は文系、理系の2類型、3年次は難関国公立進学、看護・医療系進学、医歯薬進学などの類型の設定を検討。また、SGH事業で推進してきた「課題解決型研究」を教育課程に位置付け、1,2年次は全員履修、3年次は課題解決型研究を継続できる類型を設定することを検討。
 
【斐太】
☆単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)より高い進学目標に対応した授業展開や探究的な学びを可能とするため。
(方向性)難関大学や医学部医学科受験に対応する科目、飛騨地区にはない芸術系大学に対応する科目、SGHで推進している地域課題解決型学習に関連する学校設定科目(地域研究、国際理解など)の設定を検討。
 
岐阜北、関、斐太の3校は単位制を導入することでレベルの高い子にはレベルの高い内容を提供する環境を整えたいということでいいようですね。これ、大垣北もやったほうが…というのは余計なお世話なんでしょうか。今春から既に岐阜高校も単位制に移行しています。単位制以外の活性化策が用意されているのなら別ですが、外から見ていると大垣北の出遅れ感が否めません。大丈夫かいな…。
 
 
【大垣南】
☆単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)生徒の進路志望や適性に即した学びを可能とするため。
(方向性)選抜性の高い大学への進学から、看護や芸術系への進学まで、幅広い進路志望に対応できる選択科目群の設定を検討。
 
【大垣西】
☆単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)生徒の進路志望や適性に即した学びを可能とするため。
(方向性)5教科型の国公立大学や3教科型の私立大学だけでなく、特に体育系や芸術系等の進路志望にも対応できる教育課程の編成を検討。
 
【羽島北】
☆単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)生徒の進路志望や適性に即した学びを可能とするため。
(方向性)文系、理系、私文、看護・保育、芸術・体育等それぞれの進路志望に対応した選択科目群の設定を検討。2年次より選択させる予定。
 
大垣南、大垣西、羽島北の3校は単位制を導入することでいろんなタイプの大学受験に対応して進学実績を上げていきましょうということのようですね。考えてみれば、従来型の文系・理系というざっくりとした枠組みで対応しきれるのは、中堅以上の国公立大学だけなんですよね。私文だけでなく、看護系とか芸術系、体育系は必要な科目もそれぞれ異なりますからね。それぞれの生徒が大学に向けて必要とする科目にもっと寄り添ったカリキュラムにするには、選択の幅が広い単位制がよいということでしょう。
 
 
【揖斐】
☆普通科ビジネスコースの募集停止(学年制による全日制課程普通科)
(目的)高校入学段階で学習分野を絞り込まず、普通科内にビジネスコースを含む複数のコースを設置し、生活環境科と合わせ、生徒の多様な進路希望や適性に即した学びを可能とするため。
(方向性)普通科内に普通科ビジネスコースでの学びを継承したビジネスコースのほか、進学コース、これまで実施してきた地元企業と連携したデュアルシステムを位置付けたデュアルコースの設定を検討。2年生より選択させる予定。
※これまで実施してきた学習指導、生徒指導の姿勢を継承させること、併置する生活環境科における指導との整合性を保つため、学年制を維持。
 
【山県】
☆普通科ビジネスコースの募集停止
☆単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)高校入学段階で学習分野を絞り込まず、単位制の導入により生徒の多様な進路希望や適性に即した学びを可能とするため。
(方向性)ビジネスコースでの学びを継承した商業類型のほか、進学類型、地元企業と連携したデュアルシステムを導入した工業類型、福祉類型などの設定を検討。2年次より選択させる予定。
 
【郡上北】
☆普通科ビジネスコースの募集停止
☆単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)高校入学段階で学習分野を絞り込まず、単位制の導入により生徒の多様な進路希望や適性に即した学びを可能とするため。
(方向性)進学コースのほか、ビジネスコースでの学びを継承した観光・ビジネス系、地元企業と連携したデュアルシステムを導入した工業系、地域産業系、福祉系のコース設定を検討。2年次より選択させる予定。
 
普通科ビジネスコース、普通科でありながら就職も意識して商業系のことも学べるコースということだったと思うのですが、中途半端な位置づけだったかもしれません。かといって特定の専門学科にしてしまうと、希望する生徒がさらに限定されてしまう可能性もあったわけです。山県と郡上北は単位制にすることで地域の生徒の幅広い希望に応えようということでしょう。そういう意味では、揖斐も単位制にすれば良かったのではないかと思いますが、そうなると伝統ある生活環境科にも手をつける必要が出てしまうため、単位制に移行するわけにはいかなかったということでしょうか。
 
 
【郡上】
☆普通科に単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)生徒の進路志望や適性に即した学びを可能とするため。
(方向性)5教科型の国公立大学や3教科型の私立大学だけでなく、総合学科で実施してきた情報系や看護・福祉系にも対応した教育課程の編成を検討。
☆既存の2学科を園芸科学科、食品科学科、森林環境科学科の3学科に再編。3学科を総合農業学群(仮称)として募集
☆農業科に単位制を導入(単位制による全日制農業科)
(目的)農業の学びの3分野(生産、加工、環境)を整え、農業教育環境の充実を図るため。
(方向性)既存の2学科(食品流通、森林科学)を1学科群3学科(園芸科学、食品科学、森林環境科学)とすることで農業教育環境の充実を図るほか、3学科を学群として募集し、柔軟な学科人数設定を可能とすることで少子化に対応。
☆総合学科の募集停止
(目的)郡上市内2校における学習環境を整理するため。
 
総合学科をなくし、農業系を強化する方向へ舵を切ったわけですね。「郡上市内2校における学習環境を整理」というのは、郡上北が単位制普通科になって総合学科に近いコース設定をするので、郡上には総合学科を置く必要がないということを指しているのでしょうか。実際、1クラス40人の総合学科を、本当の意味での総合学科らしく運営するのは難しかったでしょう。また、この整理によって、郡上市内に将来的にも2校存続させる可能性を残したといえるかもしれません。実際、県教委はただちに統廃合に向かっていくことはないことを、昨年の検討まとめの段階で言っていますが。
 
 
【恵那南】
☆総合学科の系列変更
(目的)時代や地域産業のニーズに応えつつ、生徒の実態や学校規模に合った系列とするため。
(方向性)既存の文系進学系列、理系進学系列を文理進学系列に統一し、情報系列、ビジネス系列、福祉保育系列を、情報デザイン系列、ビジネスと観光系列、ライフサポート系列とすることを検討。
 
系列変更ですから、受験生にとっては高校の中身が若干変わるだけで志望の仕方が変わるわけではありません。進学系列を整理して専門系列が増えるようですね。
 
 
【益田清風】
☆普通科に単位制を導入(単位制による全日制課程普通科)
(目的)生徒の進路志望や適性に即した学びを可能とするため。
(方向性)進路志望別の類型(国公立理系、国公立文系、私立文系、看護系専門学校など)を検討。2年次より選択させる予定。
☆商業科の学科改編(既存の2学科を再編し、ビジネス情報科を設置)
☆商業科に単位制を導入(単位制による全日制課程商業科)
(目的)資格取得や上級学校への進学など幅広い学習到達目標に対応するため。
(方向性)学習到達目標に応じた3類型(会計、情報、マーケティング)の設定を検討。2年次より選択させる予定。
☆総合学科の系列変更
(目的)卒業後の進路がより分かりやすい系列名称とするため。
(方向性)既存の観光産業系列、言語・文化系列、健康福祉系列を、観光文化系列、福祉系列、保育系列、食文化系列とすることを検討。
 
商業科の統合は将来的に2学科2クラスを維持することが難しいことも見越しての対応でしょうか。単位制にすることで、より小規模になってもそれぞれの志望に対応できるようにする態勢を整えようということでしょう。
もっとも、私がここであれこれ書かなくても、益田清風高校は今回の改編についてその詳細を早速、高校のホームページで説明しています。希望する方はそちらをご覧になるのが早いです。すばらしい対応ですね。
 
【吉城】
☆普通科、理数科に単位制を導入(単位制による全日制課程普通科、理数科)
(目的)生徒の進路志望や適性に即した学びを可能とするため。
(方向性)普通科に、文理進学コースのほか、総合コースを設け、看護・福祉、国際観光、芸術・体育など進路志望に応じた科目の設定を検討。また、理数科においては、より高い進学目標や文系進学志望にも対応できる柔軟な教育課程の編成を検討。
 
単位制に移行するならば、理数科を廃止して普通科のみにしたほうがいいのではないのかなと思ったりもしたのですが、1クラス30人という無理をしても理数科を残したところが興味深いです。理数科で『文系進学志望にも対応できる」ようにするなら、なおさら学科を統合したほうがいいのではないかなと思ってしまいました。
この吉城高校の学科改編についても、高校のホームページにさっそく説明が上がっています。希望する方はそちらをご覧になるのが早いです。

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